気まぐれにグーグルで「むだ」の語で検索してみると、なんと473万件が瞬時に出てきました。「ムダ」はさらに多く2,950万件、「無駄」に至ってはなんと1億5,200万件! いやはや世の中、無駄ばかり、とため息が出てきそうです。9月に政権交代したあと、民主党主体の政府が「無駄の一掃」を声高に叫んでいるのと、どこかで根がつながっているのでしょうか。
「ダムはムダ」の言葉遊びのようなキャッチコピーが現実の問題になったのが、群馬県の八ッ場ダムです。長年の建設の歴史のある現場が全国に50以上もあるので一概に「無駄だ!」と切ってしまえるものか、議論が沸騰しています。コンクリートなど建物優先から人間生活に直接お金を回そうという大方針を貫こうとすると、どうしても今まで当たり前のように認められてきた予算がボツになったり後回しにされたりしそうです。
ただ、今までの政府と大きく異なる点は、そんな政策決定過程が白昼堂々と公開され、多くの一般国民の見えるところで話し合われるところではないでしょうか。限られた予算という国民の税金をどういう優先順位で分け与えたらいいのか、あなただったらどうしますかという問いかけがなされています。納税は近代民主主義国家の根本です。
「私の納めた税金、そんなことに使わないでよ」「おれのカネはもっとこういう分野に回してくれないか」など、今まで以上に国民からの注文、批判が出てきそうですが、それこそが健全な民主国家。今夏、民主党に投票した人も反対した人も、古今東西、多くの革命・変革が納税問題から起きたという歴史を、改めて身近に感じる秋ではないでしょうか。
「無駄とは何か」を一人一人が自分の問題として考えること自体は、日本の歴史上、けっして無駄なことではない、とだけは言えます。
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