カンヌ国際映画祭

今年も5月13日から世界で最も権威のある「カンヌ国際映画祭」が開催されます。

米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」で日本映画の力を世界に知らしめたのに続き、第62回の今回は「ある視点部門」で是枝裕和監督の最新作「空気人形」が正式出品と決まりました。是枝作品は3度目の出品ですが、すでにカンヌに4度も招待された作品を作った映画監督がいます。

日本ではあまり知られていない小林政広監督です。

42歳で映画監督デビューという遅咲きの小林監督は、短期間・低予算の制作ながら、登場人物の生き様を強烈に描き、見る人の人生観を揺さぶる迫力のある作品を作り続けています。絵に力のある映画は目の肥えたフランスの映画ファンに熱く迎えられ、日本よりヨーロッパの方が人気が高いと言われるほど。

「海賊版=BOOTLEG FILM」「KOROSHI 殺し」「歩く、人」「バッシング」4作品がカンヌ出品、また昨年の「愛の予感」はロカルノ映画祭などでグランプリを獲得しています。

イラクで人質になった日本人女性が帰国後、自己責任だと世間から激しい非難攻撃を受けた事件をもとに作った「バッシング」では、日本人の心の闇、日本社会の病理をえぐりだしています。来年のカンヌ出品を目指す撮影中の「春との旅」は、老いを迎えた男性(仲代達矢主演)がついの住み家を求めて、東北・北海道の兄弟の家を孫娘と二人で訪ね歩くロードムービー。

老後は誰とどのように暮らせば幸せかという今の日本で最も重要なテーマです。

いずれも自分の生き方がストレートに問われる映像の力があります。

隠れた巨匠の世界に触れたい人はぜひ。

0コメント

  • 1000 / 1000