「カワイイ」という日本語が今「kawaii」という世界共通語になっているという。「カラオケ」「マンガ」「アニメ」などに続く現象です。10代を中心にした若い女の子が盛んに「カワイイー!」を連発する光景は、身の回りやテレビでも見られるほど日常世界です。単にモノや人を指すだけでなく、その存在のありようを最高に褒めるキーワードとして使われているようです。
若者ファッションが火付け役でした。特に原宿、渋谷などの街を思い思いの衣裳で歩く姿が雑誌やテレビで紹介されると、十数年前からアジアや欧米に広まり、日本はストリートファッションの発信地として注目されるようになりました。有名デザイナーが決める流行より、フツーの若者たちが着こなしている姿の方がカッコいいと感じる世界各地の同世代がまねて、やがて自分なりに取り込んでいく連鎖が続いたのです。火の手は10代から20、30、40代の女性たちにまで広がり、「エロカワ」「ナチュカワ」など質的にも深化しています。
「カワイイ大使」(正式にはポップカルチャー発信使)も今年2月に誕生しました。外務省が日本の若い女性ファッションを世界に広げようという狙いで任命、ロリータファッション界のカリスマモデルの青木美沙子さんら3人の女性をパリ、バンコクなど世界各地で開かれるイベントに派遣する予定です。お堅い? NHKも「東京カワイイTV」という深夜番組で、世界の街中のカワイイ現象をさまざまに紹介しています。軍事力で世界を威圧するハードパワー路線を拒絶した日本にとって、衣食住の生活、環境分野で上質の文化を発信して世界平和に寄与するソフトパワーの向上が今後、さらに必要となってきます。たかがギャルのお遊びとは言えない「カワイイ」現象。
クールジャパンの総合力を高める推進力になればと期待したいですね。
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