羽田空港国際線


秋の後楽シーズンを迎えて、日本は空前の「空中戦」に突入しました。羽田空港が10月31日、いよいよ国際線定期便が離着陸する空港として新たな開港をしました。ところが、ライバルがたくさんいます。まず成田空港です。1978年の開港以来、日本の国際線の正面玄関として存在してきたのに羽田にその位置を脅かされると、便数増加策で対抗します。最大のライバルはお隣・韓国の仁川(インチョン)空港です。世界各地から東アジアに来る場合、まず到着してすぐまた別の各地に飛べる便利な空港(自転車の車輪の中軸のようなという意味でハブ空港と呼ばれています)の覇権をシンガポールのチャンギ空港と共に争っている有力空港です。

意外な競争相手になりそうなのが国内の地方空港です。客数が少なくてお荷物空港のレッテルを貼られるところが少なくなかったのですが、今年になってから事情が変わりました。アジアなどの格安航空(ロー・コスト・キャリア=LCC)が積極的に日本各地に攻勢をかけています。中国の春秋空港が茨城空港~上海の片道料金を4000円に設定したことから、発着枠に余裕のある地方空港はLCC誘致熱が高まっています。雪と温泉を売り物にした北海道各地には台湾、中国からの観光客が殺到し、温泉とゴルフを楽しみに九州各地に韓国からの観光客が群れるという現象が起きています。飛行機は今や気楽に外出するげた感覚で使われる時代に入りました。

ところがライバルは陸上にもいました。12月に青森まで開通する東北新幹線をはじめ、JR会社は新幹線を核にしつつ、乗り捨てレンタカー、日帰りフリーパス、ネット会員向け各種サービスなど割安感で勝負、空との競争に勝利する作戦。また高速道路の無料化、低価格化の追い風を受けて長距離バス網が発達、飛行機並みのリクライニングシートを導入した高級感のあるバスも次々と登場しています。空も負けていない。全日空は子会社のLCCを設立して国内に格安便を飛ばす方針です。大型旅客船のクルーズも日本人になじんできています。陸・海・空の競争激化が私たちの選択の幅を大きく広げて豊な旅を充実させる、そんな「観光大国」実現につながればいいのですが。  

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